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2013年3月24日の朝日新聞の記事『腰痛2800万人』について

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この記事では腰痛に対する一般的な整形外科における最新の見解が示されており、ポイントは以下の4つです。
望クリニックでは記事内容とは異なる考え方で診療しているため説明を加えます。

1:腰痛患者さんは2800万人にも及び、その8割は原因不明
8割が原因不明ということは、大部分は原因が究明できない(非特異性腰痛)ということです。
分からない原因を治すことは出来ません。このことが最大の問題といえるでしょう。
一般的な整形外科ではレントゲンやMRI検査で写る「異常」を基準に診断します。
しかし、痛みが強くても「異常」が写らないことがあります。一方、痛くない正常な方でもMRIを撮るとヘルニア、狭窄、変形が見つかることがたくさんあります。このように「異常」と症状は一致しないことが多く、痛くてヘルニア・脊柱管の狭窄・スベリ・変形等の「異常」が見つかっても、それが痛みの原因とは限らないのです。
そのため、一般的な整形外科には腰痛の原因を見極める手段がなく、8割が原因不明という状態が続いています。大きな病院に行っても腰痛がなかなか治らないのはこのためです。この現状を打破するカギがAKA-博田法です。
原因不明といわれた腰痛(非特異性腰痛)でも、AKA-博田法で診断・治療してみると8割に及ぶ原因不明の大部分が仙腸関節の機能障害です。
一定期間AKA-博田法を行い、痛みに変化が無い場合にレントゲンやMRI検査をするといいでしょう。
2:8割を占める原因不明のものには「薬物療法」が勧められる
原因が分からない痛みは原因から治すことは出来ません。そこで、まず処方されるのが痛みを一時的に抑える薬です。
しかし、痛み止めは時間が経つと効果がなくなります。
痛くなるたびに薬を飲むという一時しのぎを繰り返している方は多くいらっしゃいます。
痛み止めが悪いわけではありませんが、少なくともAKA-博田法で痛みを原因(根本)から治療することが必要です。
3:3ヶ月以上続く慢性腰痛ではストレッチやウォーキングなどの運動もお勧め
慢性腰痛には治療ではなく、運動が必要という考え方があります。運動は痛くない方が「予防」のために無理のない範囲で行うと有効かもしれません。しかし、痛い方に必要なのは「予防」ではなく「治療」です。一般的な整形外科では原因が分からないために「予防」と「治療」を混同して勧められています。
本来、「痛み」とは身体の悪いところを知らせて安静を求めるサインです。AKA-博田法で根本から治療して、あとは安静にしていることが必要です。
4:ストレスなどの心理的な影響も原因となる
さまざまな病気にストレスが関与していることは皆さんご承知でしょう。
特にレントゲンやMRI検査で「異常」がないと身体には問題が無いと判断して、精神的なストレスを腰痛の原因と診断し抗不安薬や抗うつ薬等が処方されることがあります。
しかし、この診断にも問題があります。関節機能障害はレントゲンやMRIには写らないため、AKA-博田法を知らない医師には診断が出来ません。そのため、本当は仙腸関節の機能障害が原因の腰痛に対して精神的なストレスが原因と診断されていることが多いのです。患者さんのなかにはストレスが無くても痛い方はたくさんいらっしゃいます。
痛みが強くなかなか治らなかったり原因不明といわれたりすると、それがストレスとなりさらに痛みを強く感じることがあります。しかし、この場合ストレスが痛みの原因ではなく、もとは身体(多くは仙腸関節)に問題があります。痛みがストレスとなって過敏になり、本来の痛みよりも強く感じているだけなのです。
原因が分からないと精神的なものにその原因を見いだしがちです。しかし、精神的な問題が原因となっている腰痛は非常に少数です。
記事のタイトルでは「心の悲鳴かも」としていますが、まずは心の問題ではなく仙腸関節の機能障害を疑い、AKA-博田法で再診断するといいでしょう。