脊椎すべり症【腰痛・下肢痛】

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脊椎すべり症【腰痛・下肢痛】

脊椎すべり症 一般論

脊椎すべり症は、椎骨(背骨を構成する一つ一つの骨)が前後にズレたために、脊柱の中を通る神経を圧迫して痛みやシビレが起こるという病気です。
脊椎すべり症には椎骨が欠けて分離した脊椎分離を伴っているもの(分離すべり症)と、そうでないもの(変性すべり症)があります。
分離すべり症は椎間関節(上下の椎骨をつなぐ関節)が分離して脊椎の安定性が悪くなり、成長期では椎体が変形したり、壮年期では椎間板が変性したりして発症します。
それ以外のすべり症は、椎間板の変性によるものが多く、腰部脊柱管狭窄症の原因となる事があります。
いずれも症状は、腰痛や下肢のしびれの他、まれに足の力が入りにくくなったりすることもあります。

望クリニックでの考え方

「脊椎すべり症と診断された痛みやシビレの本当の原因は仙腸関節の機能障害であることがほとんどであり、椎体がすべっていることが原因ではありません。」
脊椎すべり症はレントゲンやMRIを撮って診断します。しかし、整形外科における痛みやシビレの診断は、画像診断では当てはまらないことが多いとわかってきました。
AKA-博田法と画像診断参照リンク)

一方、仙腸関節を主とした関節の機能障害は、脊椎すべり症と同様の症状を起こす事があることもわかってきました。
その為、レントゲンやMRIによって脊椎すべり症と診断された患者さんが、痛みやシビレの原因が本当に脊椎がすべっていることによる症状なのか、あるいは仙腸関節の機能障害による症状なのかを再診断するべきだと考えています。

脊椎すべり症と診断された患者さんを当院で治療した結果、8~9割の方がAKA-博田法で改善し、痛みやシビレの原因は仙腸関節の機能障害であることが分かりました。残り1-2割の患者さんは関節機能障害が原因ではなく、他の原因(本当の原因は脊椎がすべっていることだったり、精神科的な疾患など)による症状でした。

レントゲンやMRIを撮って脊椎すべり症と診断された方も、痛みやしびれの原因はすべり症ではない可能性があります。まずはAKA-博田法を受診して、症状の原因は仙腸関節の機能障害かすべり症かを再度診断するといいでしょう。特に手術を考えている方は、手術をする前にAKA-博田法を受診することが大切です。

関節機能障害が原因の場合、AKA-博田法で治療を続けることで痛みやシビレは良くなるでしょう。この場合、すべり症は原因ではないので、手術で「異常(=すべっている状態)」を治しても、痛みやシビレの症状が治ることはありません。手術の要不要を診断する為にもAKA-博田法の受診をお勧めします。

また、手術をしたにもかかわらず痛みやしびれが良くならなかった方は、手術が上手くいかなかった可能性だけでなく、脊椎のすべりが痛みやシビレの原因ではなかった可能性が高いのです。当院には手術をしたのに痛みやシビレが良くなっていないという方がたくさん来院します。このような方は手術をしていない方に比べて治癒までに時間がかかる傾向があります。これは、手術の刺激により関節が硬くなったり、過敏な体質に変わったりすることがあるためです。
しかし、関節機能障害が原因の場合、AKA-博田法以外に根本的な治療法はありません。手術をして良くならなかったとあきらめるのではなく、一度当院へ御相談下さい。

望クリニック 症例

実際に治療を受けた患者さんの症例

50代 女性

来院までの経過

30年前に交通事故で腰を強打して以後、腰痛出現。30年間で数多くの整形外科を受診したが、いずれの整形外科でも腰椎すべり症と診断された。治療は鎮痛薬や湿布、牽引等どこも同じであった。
平成19年頃より更に腰痛がひどくなった為、総合病院の整形外科を受診。レントゲンとMRI検査の結果、腰椎すべり症と腰部脊柱管狭窄症と診断、鎮痛薬と湿布を処方される。しばらく整形外科に通院していたが腰痛は一向に良くならない為、平成20年に望クリニックでAKA-博田法を受診。

他院での診断 腰椎すべり症、腰部脊柱管狭窄症
他院での治療 鎮痛薬、湿布薬、牽引マッサージ等のリハビリ。
来院時の症状 腰痛、特に右側が強い。症状は中腰や起床時が最もつらい。
入浴等温まると楽になる。
麻痺等の明らかな神経の障害はなし。

自覚症状の経過

AKA-博田法初回 「治療直後はあまりわからなかったのですが、1週間位してから腰痛が大分楽になってきたのに気付きました。朝起きた時も、大分楽ですね」
3回目 「大分、良いです。30年間ずっとつらかった腰痛を忘れる事があります。ただ無理をするとまだ少し痛みが出ます。」
5回目 「教えてもらった、日常生活の注意を心掛けているためか普段の生活で腰が痛くなることはほとんどありません」
現在 治療を始めてから約3か月で腰痛がほとんど消失したため、一旦治療終了となった。その後、平成21年に旅行で無理をした後に1度腰痛が再発し来院、3回のAKA-博田法で治癒している。

考察

この方は、腰椎のすべりや脊柱管の狭窄を治療することなくAKA-博田法で腰痛が改善したため、痛みの原因は関節機能障害であったと考えられます。
30年前に交通事故で腰部を強打してから慢性腰痛が出現していることから、交通事故の際仙腸関節が機能障害を起こした可能性が考えられます。
関節機能障害はレントゲンやMRI等の画像では診断できないため、30年間どこの整形外科でも、腰椎すべり症と診断され、腰椎すべり症に対する治療を受けていました。
関節機能障害は新しい考え方のため、まだまだ整形外科の医師に浸透しておらず、AKA-博田法を行える医師は限られています。その為にこのような患者さんが多いのが現状なのです。

74年 男性

来院までの経過

H18から腰痛と左下肢のシビレが出現。近くの整形外科を受診したところ、腰椎すべり症と診断され大学病院を紹介される。大学病院では手術を勧められている。

他院での診断 腰椎すべり症
他院での治療 血流改善薬、鎮痛薬等の薬物治療。手術を勧められている
来院時の症状 平成21年初診。200メートル位歩くと腰痛と下肢の痺れが強くなってくる。
しばらく休むと痛みとシビレは治まり、また歩けるようになる。

自覚症状の経過

AKA-博田法初回 治療後、痛みが良くなり、帰り道は1km程歩けました。3日間程楽でしたがその後元に戻ってしまいました。
3回目 AKA-博田法による治療効果が持続するようになり、歩いても痛くなりません。
5回目 腰痛や足のシビレはほとんどなくなり、日常生活で困る事はほとんどありません。

望クリニックでの診断

仙腸関節の機能障害

考察

この方も腰椎のすべっている状態を治療せずにAKA-博田法で症状が楽になりました。
痛みやシビレの原因は腰椎のすべり症ではなく、仙腸関節の機能障害であったと考えられます。この方は関節の炎症が少なかった為、AKA-博田法の反応も良く速やかに治癒していきました。関節機能障害の治り方は関節の炎症の有無が重要なポイントになります。
この方のように炎症が弱いとAKA-博田法で早期に良くなりますが、炎症が強い方の場合は、良くなるまでに半年~1年位かかる方もいらっしゃいます。