変形性膝関節症の症例
73歳 女性
来院までの経過
平成16年頃、膝が硬く正座をしにくいため膝のストレッチをしたところ、左膝に激痛を感じ近くの接骨院に加療。整体のような治療を受けた直後に痛みが更にひどくなった。そのため、整形外科を受診したところ、変形性膝関節症と診断された。治療は鎮痛薬とヒアルロン酸の注射、筋力トレーニングのリハビリを行ったが、徐々に痛みが強くなり、あとは手術しかないと言われている。
他院での診断 | 変形性膝関節症 |
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他院での治療 | 鎮痛薬、ヒアルロン酸の関節内注射、リハビリを3年程おこなっているが、あとは手術しかないとのこと。 |
来院時の症状 | 左膝関節の痛み。痛みは歩行時、特に階段昇降が辛い。歩き始めるとすぐに左膝が痛くなるため、長い距離を歩けない。温めると痛みは楽になるとのこと。 |
AKA-博田法後の自覚症状の経過
AKA-博田法初回(H.19) | 治療後、歩行時の痛みは楽になりましたが、翌日より3日間程左膝の痛みが増しました。 |
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3回目 | 治療後1週間痛みが楽でした。 |
5回目 | 歩いた時の痛みはAKA-博田法を受ける前と比べて大分良いです。歩けるようになってきました。 |
現在 | AKA-博田法を月に1回の割合で行う事で、痛みは少なく抑えられ問題なく日常生活を過ごしている。現在も手術はしていない。 |
考察
AKA-博田法受診後に痛みが変化したため、痛みの本当の原因は仙腸関節の機能障害と考えます。仙腸関節は1~3ミリしか動かない極めて繊細な関節です。ストレッチをした時に、仙腸関節が機能障害を起こしたのでしょう。更に接骨院で整体のようなことをされた時にも悪化したと考えられます。
変形性膝関節症の場合、筋力トレーニングが勧められることが多々あります。整形外科ではお決まりのようにおススメしているようです。繰り返しになりますが、筋力トレーニングは痛くない方が予防で行うと有効なことがあります。しかし、すでに痛い方が痛みを治す目的で行うと却って悪化することがあります。この方も痛みを我慢して筋力トレーニングをしてしまった事で徐々に症状が強くなってしまったと考えられます。