その他 【股・膝・足関節の痛み】

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その他 【股・膝・足関節の痛み】

股関節臼蓋形成不全

望クリニックでの考え方

股関節臼蓋形成不全(以下、臼蓋形成不全)の治療で最も大事なことは、股関節痛の本当の原因は何かを診断し、それに合った治療を受けることです。

「股関節のかぶりが浅いから痛みがでる、痛みがひどいなら、手術で原因の部位を治療しましょう。」
整形外科でレントゲン写真を見ながらこのような説明を受けた方は多いのではないでしょうか。しかし、本当に手術が必要なのでしょうか?手術をすれば痛みは良くなるのでしょうか?
私は、今まで臼蓋形成不全で手術をされた患者さんをたくさん診てきましたが、必ず手術で良くなるというわけではないようです。良くなる方もいればあまり変わらない方、かえって悪化してしまう方もいるようです。

何故このような事が起きてしまうのでしょうか?
当院では、股関節の手術をしても痛みが残るのは、股関節痛の原因が臼蓋形成不全ではなく、他に本当の原因があったのではないかと考えます。

では、何が股関節痛の本当の原因なのでしょう?
股関節痛を起こす本当の原因として最も多いのが関節機能障害です。
特に仙腸関節の関節機能障害は体のあらゆる所に痛みやコリ、しびれなどを引き起こします。当然、股関節痛も例外ではありません。臼蓋形成不全と診断された股関節痛のほとんどは関節機能障害が原因のため、痛みはAKA-博田法により改善します。レントゲンで見ると股関節のかぶりは浅いのですが、それは痛みの原因でないことが多いのです。
残念ながらほとんどの医療機関は、まだ関節機能障害で痛みが起こることを知らないため、レントゲンやMRIを主な診断基準として手術を行っています。関節機能障害はレントゲンやMRIなどの画像では診断はできず、手術でも治りません。手術をしても痛みが残るのはこのためです。
何が痛みの本当の原因なのか?その診断により、当然治療法が変わります。股関節痛の本当の原因が臼蓋形成不全の場合、治療は手術です。しかし、関節機能障害が痛みの原因の場合、その治療にはAKA-博田法が必要です。臼蓋形成不全と診断された方の股関節痛で最も多いのが関節機能障害ですから、手術を行う前にAKA-博田法を受けることが重要です。

以上の考えに基づいて、当院では、これまで通常の整形外科で臼蓋形成不全と言われた症例をAKA-博田法で診断し、治療してきました。軽度のものから手術を目前にしたものまで様々な患者さんをAKA-博田法によって診断、治療してきた結果、AKA-博田法は臼蓋形成不全と診断された患者さんの股関節痛の約80-90%に有効でした。
つまり、股関節痛の本当の原因は、ほとんどが仙腸関節を主とした関節の機能障害であり、AKA-博田法で治療することにより多くは手術が必要なくなります。ただし、ごく稀に関節機能障害が原因であっても、股関節の変形が強く歩行に支障がある場合は、間接的に関節機能障害を起こしてしまう事がある為、手術をお勧めする場合もあります。

AKA-博田法は手術のように体に大きな負担はかかりません。臼蓋形成不全で困っている、手術を考えている方は、まずAKA-博田法を受けて関節機能障害が痛みの原因かどうかを診断する必要があるでしょう。手術はそれからでも遅くはありません。

実際に治療を受けた患者さんの症例

22代 女性

患者さんからの来院までの経過

画像

もともと、股関節痛は無かった。3年前から介護の仕事を始めたところ、仕事の影響か2年前から右の股関節に痛みが出始め、近くの整形外科を受診。レントゲンで股関節のかぶりが浅いと言われ鎮痛薬を処方された。その後、仕事を休めず鎮痛薬を服用しながら仕事をしていた。次第に右の股関節痛は悪化し1年前からは左の股関節にも痛みが出始め、両足のしびれも出現し仕事が出来なくなってしまったため大学病院の股関節専門外来を受診。

やはり、股関節のかぶりが浅く、臼蓋形成不全が原因で痛みが出ていると言われた。
大学病院では年齢が若いので、人工関節ではなく骨盤の骨切り手術を勧められたが手術以外に何か治療がないかと思い、平成21年に当院を受診。

他院での診断 臼蓋形成不全
他院での治療 鎮痛薬。
骨盤の骨切り手術を勧められている
来院時の症状 両股関節痛(右の方が痛みが強い)、両臀部から下肢にかけての痛みとしびれあり。
最近は、安静時痛もあり夜に寝ていても起きてしまう事がある

来院後の経過、患者さんの自覚症状の経過

AKA-博田法初回 治療前に比べて歩きやすくなった感じがします。痛みも少し軽いです。
3回目 痛みは少しずつ楽になっています。
5回目 AKA-博田法をする前と比べると痛みは半分くらいになっています。夜に痛みで起きる事はほとんどありません。
現在 AKA-博田法をはじめて1年になりますが、痛みはほとんどありません。そろそろ仕事をはじめようと思います。
(初診から半年間は2週間に1回、その後は1-2月に1回のペースでAKA-博田法を行った)

望クリニックでの診断

仙腸関節を主とした関節機能障害

考察

この患者さんは臼蓋形成不全と大学病院などの整形外科で診断され、手術を勧められていました。しかし、AKA-博田法により痛みは軽快していき社会復帰出来るまで回復し、手術の必要はなくなりました。
AKA-博田法では臼蓋形成不全そのものは治りません。当然、臼蓋形成不全はそのまま残っています。つまり、臼蓋形成不全は残っているが痛みはなくなったという事になります。
この患者さんの場合、AKA-博田法で症状が軽減したことから、臼蓋形成不全は痛みの直接の原因ではなく、仙腸関節を主とした関節機能障害が痛みの本当の原因であったと考えられます。
関節機能障害は関節の微細な動きの障害です。レントゲン等の画像検査では診断する事はできません。そのため、大学病院等の整形外科では今回の患者さんの様にレントゲンで見えない関節機能障害を見逃し、目に見える臼蓋形成不全を痛みの原因と考え、手術を勧めてしまうという事が起きているのです。
この患者さんのように手術前に当院でAKA-博田法を受け、痛みが改善し手術を受けないで済むケースがたくさんあります。不必要な手術を受けない為にも、手術の前にAKA-博田法を受けることをお勧めします。
股関節痛は放置しておくと、関節がますます硬くなり痛みが増す傾向にあります。痛みと硬さの悪循環が起こるのです。痛みを感じたらなるべく早期の治療をお勧めします。また、臼蓋形成不全で手術をしても痛みが良くならなかったという方がいらっしゃいます。その痛みの本当の原因は関節機能障害である可能性が高いです。手術をしても治らなかったからといって諦めるのではなく、AKA-博田法を受診してみることをお勧めします。