腰部脊柱管狭窄症の症例
実際に治療を受けた患者さんの症例
63歳 男性
患者さんからの当院来院時までの経過
H17年ごろより両臀部痛、右下肢痺れあり近医整形外科通院していたが良くならない為、H18年に大学病院の脊椎外科に受診した。脊柱管狭窄症と診断され脊柱管を広げる手術を行った。手術後、3ヶ月間程は手術をしたばかりで無理をしなかった事もあってか、楽だったが趣味の散歩を再開した所、また以前の様な痛みが再発した。再度、大学病院に受診した所、腰の神経の通り道で狭かった部分は手術で広くなっています。もう少し様子をみて良くならないようならもう1回手術を考えましょうと言われ鎮痛薬を処方された。もしかしたら私の病気は脊柱管狭窄症のような神経がやられる病気以外のものではないかと思いH19年に当院受診された。
画像上、狭窄は改善されているが、症状は変わらなかった。
他院での診断 | 腰部脊柱管狭窄症。 |
---|---|
他院での治療 | 手術、薬物治療等 |
来院時の症状 | H19、12月初診。20m程の歩行で痛み始め、立位は2分程度が限界という状態。 入浴など温めると症状は楽になるという事だった。 |
来院後の経過、患者さんの自覚症状の経過
AKA-博田法初回 | 治療後、翌日から3日間痛みが強くなりました。 歩くのもいつもよりも辛かったです。 |
---|---|
3回目 | 歩けるようになってきました。300-500m位歩けます。 |
現在 | その後、治療を続け7回目(約4カ月後)には日常生活に支障がなくなった。 |
考察
仙腸関節が症状の原因であったにもかかわらず、たまたま画像上に脊柱管狭窄症があった為、脊柱管狭窄症と診断されてしまい無用な手術をされてしまった症例です。手術後は一時的に症状が楽になったのは手術後で安静を保っていた為に仙腸関節にかかる負担が少なかったからだと考えられます。しかし、仙腸の関節機能障害は安静にしているだけでは治りませんので日常生活に戻り仙腸関節に再度負担がかかった為にまた症状がでてきたと考えられます。
手術の後、安静にしている時は症状が楽になるのはあたりまえなのです。問題は日常生活に戻っても痛み等の症状が出てこないかという事が大事です。日常生活に戻った際に痛みが出てきたという場合は神経以外の他の原因が考えられます。少なくとも、手術で画像上では神経の狭窄は治っているのですから。この症例は手術後にしてはAKA-博田法への反応が良く、かなり早い期間で症状の改善がみられました。